南部図書館と三十六歌仙 [アート・カルチャー]
こちらの図書館ボランティア女子チーム代表で
本ブログの愛読者・Qさんからの情報で
数年ぶりに日立市久慈町の日立市立南部図書館へ。
館内のギャラリー室で明日まで
「佐竹本三十六歌仙絵 エンピツデッサン展」を
開催しております。(撮影OKでした)
「佐竹本三十六歌仙絵」は
佐竹藩の佐竹家に代々伝わる日本最古の歌仙絵ですが
明治維新後に切断売却されて複数の好事家の手に渡り
今では一堂に鑑賞することが困難だとか。
今回展示の”エンピツデッサン画”は
なんとか全てを鑑賞できないかとの思いで
福井県の画家・木村匡美氏が
4年がかりで模写し平成21年に完成したもの。
気になる歌人をピックアップしてみました。
在原業平(ありわらのなりひろ)は
平安時代の貴族・歌人で、美男の代名詞とも。
諸説では「伊勢物語」の主人公と同一視され
恋多き貴公子のイメージを持たれるほど。
昔からプレイボーイは存在したのですね。
猿丸大夫は実在を疑う向きもあるミステリアスな人物で
小倉百人一首に採用されている
「奥山に 紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき」
という和歌でも知られていますが・・?
そんな不思議な存在が、格好の推理小説のモチーフとなり
井沢元彦氏のデビュー作「猿丸幻視行」に!
出版当時、私は夢中になって
猿丸大夫の謎解きに没頭したもの。
なお哲学者の梅原猛氏は
著書「水底の歌ー柿本人麻呂論」の中で
猿丸大夫と、歌聖・柿本人麻呂は同一人物では?
という大胆な仮説を提示しているほど。
ミステリーファンには気になる存在です。
36歌人の中には4人の女流歌人が入っています。
中でも有名なのは絶世の美人の代名詞・小野小町。
なぜか顔を見せてくれないのが残念。
他には「住吉大明神」なるトンデモナイ歌人も??
神様が和歌を詠むなんて〜そんな馬鹿な?
全体的には恋の歌が多いようで
いつの世も変わらない永遠のテーマですね。
南部図書館は2005年に廃線となった
旧日立電鉄線「久慈浜駅舎」跡地に
2013年4月に建てられた新しい図書館。
建物は近くの日立港に入港する
貨物船をイメージしたユニークな外観です。
右手に回るとこんな感じ。
かつてこの場所に久慈浜駅が存在したことを
記念する各種モニュメントが設置されています。
日立電鉄線(BRT系バス)の停車場には
チンチン電車をイメージしたモニュメントも。
あらら〜こんな標識まで!(◎_◎;)
旧久慈浜駅の名残を留める南部図書館は
一般図書室、こども図書室の他
まなびの広場、創作室、対面朗読室
ボランティア活動室、ギャラリーまで兼ね備えた
とても明るくおしゃれな多機能型図書館です。
道の駅・久慈浜に来られたついでに
立ち寄られては如何でしょうか。
2017-03-25 21:50
nice!(0)
コメント(2)
トラックバック(0)
いつもながら、素晴らしいリポートありがとうございます。
印刷して、図書館職員やら、コーラスの仲間やらに回覧してます♪
只今、桜や巨木などのギャラリー写真展示をしております。
今度、南部図書館へおいでの際は、是非お知らせ下さい。
馳せ参じます!
お礼まで
by Q (2017-03-28 21:36)
Qさん
拙い記事を最大限活用して頂き、とても嬉しいです。
今度は巨木ですか?常陸太田市の川上先生が長い間「巨樹の会」の会長を務めておられ、阿弥陀寺のしだれ桜の存在を教えて頂いたものですが・・。
by sonochan (2017-03-29 09:15)