不思議な絵画のトリック? [展覧会・ギャラリー]
週末に東京に出掛けたのは、こちらの展覧会が見たかったから。
前々から、レアンドロ・エルリッヒという
アルゼンチン人アーティストが手がけた
こちらのパンフに採用されている”建物の壁に忍者のように
張り付いている人々”〜の不思議な現代アート作品が
気になって仕方がなかったのです。
ところが今回うまい具合に世界初の大規模個展が
六本木の森美術館で開催されることに。
彼の作品の特徴は
「視覚的な錯覚や音の効果を用い、鑑賞者の常識に
揺さぶりをかけるような体験をもたらす」そうな。
全46点全ての作品が撮影OKで、そのうちいくつかは
実際に作品の中に入って?アートな体験が可能でした。
ワクワク気分で会場内へ足を踏み入れると
いきなり暗闇に遭遇〜!
何やら数隻のボートが水面に浮かんでいる?
と思いきや、水などどこにもありません。
日本初公開となる「反射する港」は、ボートの揺れを
コンピュータで計算し制作した立体作品だとか。
私たちは「ボートは水に浮いているものだ」という
思い込みを持つためそのように見えてしまった。
私たちがいかに固定観念を持って物事を見ているか
ということに気づかされる」とありましたが・・・?
「雲」という作品では
フランス、ドイツ、イギリス、日本といった
国や島の形をした雲がガラスに封じ込められている。
これにも深い哲学的意味が込められているそうですが。
本展のために制作された体験型作品「教室」。
荒廃した教室に鑑賞者が亡霊のように浮かぶ?
入場者は様々なトリックが仕掛けられた
数々の立体作品を巡っては
興味深そうに体験を楽しんでおりました。
「失われた庭」では
中庭の窓の向こうにもう一人の自分の姿が?
「試着室」も体験型作品。
鏡があるはずのそこには幾つもの同じ試着室が続いている。
この鏡の迷宮から、あなたは現実の世界に戻れるか?
鏡と椅子が整然と並んだ「美容院」では
鏡の向こうに別の現実が広がっておりました。
最後に辿り着いたのは彼の代表作で「建物」という
大掛かりな体験型作品。長い間憧れていた不思議な作品の
トリックにやっと触れることができました。
作品だと思っていたのは実は
巨大な平面鏡に映し出された虚像だったのです。
建物のファザード(外壁)を床面に
それを映しだす大型の鏡を約45度の傾きで配置することで
観客はあたかも建物にへばりついたり
落ちそうになりそうな姿を鏡の中で実現することが!
しかもそれは無限の組み合わせが可能となります。
これは面白い〜!
まるで実際の建物の壁に、大勢の現代忍者たち?が
真に迫った表情でぶら下がっているように見えますよね。
大勢の入場者は、映画セットのような舞台の上で寝転んだり
腹ばいになったりして気ままにポーズを取ることで
鏡に映った”作品”を完成させ
それをスマホに撮ったりして楽しんでおりました。
こうして、世界に一つだけの作品が多数出現しました。
虚像or実像〜いったいどちらが主役なの??
とてもユニークで楽しい体験型作品でした。
虚と実の境を彷徨いながら
53階の森美術館を出て展望回廊を巡ると
目の前の手の届きそうな位置に
リアルな(多分?)東京タワーが見えました。
虚構の世界から現実の世界へと戻れたかも?
2017-12-19 16:00
nice!(1)
コメント(2)
こんな展覧会に行ったら現実に戻れなくなっちゃうかも?
いいな~。行ってみたいです(^^)
by yucky (2017-12-21 21:38)
yuckyさん
特に森美術館での大型企画展はサービス精神満載で楽しいです。撮影OKはもちろんのこと、ショップやレストランでもそれに因んだ商品を提供してますし。この日は隣でドラエモン展もやっていたので、ドラエモンの「タケコプターケーキ」を注文してスマホで撮りする女性グループも。他にもリッチな展望回廊を巡れたりといろんな楽しみ方ができますよ。
by sonochan (2017-12-22 09:25)